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職場のハラスメント

薦田 敦子 (社会保険保険労務士・産業カウンセラー・ハラスメント防止コンサルタント)

職場のハラスメント

職場のハラスメントは、職場環境において、他の従業員を不快にさせる行動を行うことを指します。
ハラスメントは、妊娠、出産、育児介護中、性別、人種、宗教、性的指向、身体的能力、
年齢、出身国など、様々な要因に基づいて行われることがあります。
被害者に対して心理的苦痛やストレスを引き起こし、
その結果、労働力の低下や仕事への意欲の喪失などの深刻な影響をもたらすことがあります。
ハラスメントを放置することは生産性の低下を招き、コンプライアンスの観点からも
取り組みが重要です。

1・職場のハラスメントの種類

職場のハラスメントの種類は、次の3つ大別されます
①セクシャルハラスメント
労働者の意に反する性的な言動を、拒否したり抵抗したりすることによって
不利益を受けたり職場環境が不快なものになり、就業に支障が生じること
 
②マタニティハラスメント
妊娠・出産したこと、育児休業等の利用に関する言動により、
妊娠・出産した女性労働者や育児休業等を申出・取得した男女労働者の職場環境が害されること

③パワーハラスメント
優越的な関係を背景として、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、就業環境が害されるもの

この中でも業務関連して起きるパワーハラスメントが、最も深刻と言われています。

2・ハラスメントの影響

ハラスメントを放置すると職場に、次のような影響が出てきます。
●心身の健康の悪化  ●職場環境の悪化
●働く意欲の喪失   ●職場全体の生産性の低下
●休職や退職の増加  ●これらに伴う経済的損失
●安全配慮義務違反  ●民事上の損害賠償
これらは会社存続にも関係する重大なリスクです。
   

3・職場のハラスメント防止対策

厚生労働省のガイドラインでは、方針の周知・啓発や相談窓口等の体制の整備など防止対策が定められています。
しかし、より重要なのは起きてからの対処より起きる前の取り組みです。

起きる前の取り組みとして、良いコミュニケーションを職場に浸透させる取り組みを紹介します。
・相手の話をちゃんと聴く、決めつけない。
・相手が話せるように、3秒間の間をつくる。
・会話を入れ替わる。 1分以上ひとりが話している場合、一方的に話している可能性があります。
・普段からの短いコミュニケーションを増やす。 親しみを感じてもらう
・感謝の言葉を増やす。
・丁寧な言葉を使う。 シンプルなハラスメント防止策になります。
コミュニケーションは的確に伝え正確に受け取る双方向の関係で、仕事を遂行するために必要な情報のやり取りでもあります。
良いコミュニケーションが活性することは、職場の風通しが良くなりハラスメント防止になります。